無花果-イ・チ・ジ・ク 漫画ネタバレ結末ブログ

坂辺周一作の漫画「無花果-イ・チ・ジ・ク」のネタバレ・結末・試し読み・あらすじ・感想をまとめたブログ。

阿部定事件~ふたりの女~ネタバレ結末 安武わたる

このブログでは、安武わたる先生の短編漫画集「阿部定事件~ふたりの女~」のあらすじやネタバレ結末、感想をまとめてご案内しております。

昭和11年、吉田屋の女中であった阿部定が不倫の末に愛人・石田吉蔵をあやめ、体の一部を切り取ったうえ「定吉ふたりキリ」の血文字を残して世間を震撼させた、大スキャンダルが起きました。



切り取った「ソレ」を逮捕されるまで大事に胸にしまいこみ、「誰にも触らせたくない」とさまよい歩いていたという・・・

事件のあまりの猟奇性、行き過ぎた愛ゆえに現代でも「阿部定」の名は魔性の女として伝わっています。



本作では阿部定事件を題材に、阿部定の幼馴染の目を通して『愛を探し求め、愛に生きたひとりの女性』を描いた作品となっています。

 

 

作品名:「阿部定事件~ふたりの女~」

作者:安武わたる

 

「阿部定事件~ふたりの女~」あらすじとネタバレ

吉田屋女中・阿部定の猟奇事件


昭和11年の東京で、ふたりの息子がいるお栄は夫が慌てて持ってきた新聞紙を読んでいた。

「おまえの幼馴染じゃねえか!?」

そこにはたしかに「阿部定」という名と、「罪の女」「刃物で切り落とし持ち去る」「血文字を刻み」といった、恐ろしい犯行内容が書かれていた。

定ちゃん、あんたはーー

お栄はふと、ふたりの過去を思い出す。

職人町で育った定とお栄


神田新銀町の職人町で生まれ育った定とお栄は、同級生で幼馴染。

もっとも、お栄はしがない左官の娘で、定は大店の畳屋の娘だった。

羽振りがいい親の末の娘として甘やかされ、美しい顔立ちに派手な着物を着て目立つ定。

学校へ行けば、「おれの女」「あたいのいい人」とあけすけな男女のやり取りをし、ガキ大将から真面目な級長までみんな定に惚れて取り合いだった。

そんな華やかな定の陰で、お栄は「定ちゃんかわいいから、男の子がほっとかないだけ」と、好きな男の子がとられても気持ちを抑えていた。

お栄の母親は定を「浮ついてろくな人生を送れない」娘だと言い、地味で十人並みの顔をしたお栄のほうが女としてまっとうに生きていけると諭す。

「あたしはそんなバカなことしない」

見た目のかわいさだけで、キャアキャア言われても、それだけでまともな人生など歩めはしない。

お栄は自分に言い聞かせるように、定と自分の差を考えないようにしていた。

美しく成長した定


お栄の父は体を壊して、その世話と内職のため学校へ行けなくなってしまう。定は勉強嫌いだったが、高等科へ進んでいた。

「変な話よねえ、勉強嫌いのあたしのほうが学校へ残るなんてさ」

定は自分が恵まれた環境にいることに感謝もせず、昼から学校をさぼっていた。

仕方ない・・・親も女に教育はいらないっていうし、とお栄は内心で自分をたしなめる。

「銀町小町! 定ちゃん、こっち向いて!」

町の悪童たちが、定をからかってはやしたてる。定はこんなのには慣れっこで、動じずにはすっぱに言い返す。

「あたしと付き合いたいんなら、もちっと男ぶりお上げよ」

年頃の娘が、平気で男とも話すなんて・・・とお栄は自分の母親が定を「不良娘」と呼んでいるのもうなづけた。


K大生に襲われて始まる定の人生の転落


お栄を誘って、定はお栄に自分の男である村井高を紹介した。

色白で上品な洗練された男ぶりに、お栄はひと目でドキンとしてしまう。



みつ豆をおごってもらい、男の人と店で食べるのすら初めてなお栄は固くなる。

「かまわないわよ、この人K大生でお金持ちなんだから」



緊張するお栄を笑いながら、「彼、あたしの『好い人』なの」と耳打ちする定。

いい男は、みんな定ちゃんのもの。

村井にときめいた心が一瞬で冷えてしまい、青ざめるお栄。



「でもだめよ高さん、お栄ちゃんに手をだしちゃ。ま、一回くらいならいいか」

「定ちゃん、やめてってば!!」

そんな軽口に耐え切れず、お栄は怒った。そして用があるから、と逃げるように店を出た。

なんて無神経なんだろう、と地味でブスな自分をわざと引き合いにされたように感じてたまらなくなる。



その後、お使いで出かけた先で村井の家に入っていく定を見かけ、そのあと見るからに不良な連中が「今度のも上玉か? ヤツの引っ掛けは名人級だからな」となにやら怪しげな口ぶりでつづいて家に入っていく。

それを見てお栄は嫌な予感がしたが、「ちょっとくらいコワイめにあったって、大丈夫だよね定ちゃん」と、男あしらいのうまい定なら平気だろうと何もせずに立ち去った。

 

だが、その予感は的中してしまった。

「このアバズレが!ノコノコ男の家にいきやがるからだ!」

畳屋から父親が定を叱る声が響き、何事かと近所の騒ぎになった。

案の定、村井とあの不良連中に襲われ、定はひどいありさまで帰宅したのだという。

村井に抗議したものの相手にされず、結局は泣き寝入り・・・

お栄の後悔と芸者に売られる定


不良によって純潔を奪われた定は、まるで「一度汚れたからどうでもいい」とでもいうように、堕ちるところまで堕ちていった。

家の金を持ち出し、不良の仲間に入り、奉公先で盗みを働いて警察の厄介になり、と親も手をつけられない。

「あたし、明日横浜に行くの。おとっつあんが堪忍袋の緒を切らしてさ。
芸者に売ってやる、って。しょうがないよね、こんなアバズレ娘じゃ」

お栄に別れを言いに来た定を見て、あのとき黙って見過ごしてしまったことを深く後悔するものの、「じゃあね」とサッサと去っていってしまう。

長くなったので、記事を分割します。次へつづきます。

 

その2

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